親への恩返しは必要なのか?本当の親孝行とは

人生論

少し前に厚生労働省が過去に作成した「啓発ポスター」に「ヤングケアラーはかっこいい」という台詞が書いてあってその事が炎上しました。

このポスターには、「一人で悩まずに誰かに相談を」って良いことも書いてあったのですが「ヤングケアラーは~」の方が強調されて書いてあったので印象が悪くなったんですね。

「かっこよく」なんてありませんよね。
その子の人生を削ってるのですからね。

このかっこいいは「親の面倒を見ている」って意味にかかっているのだと思います。

「親の面倒をちゃんと見ている良い子」ってことでしょうね。

みなさんどう思いますか?

「育てて守らった恩」を返さないといけないと思いいます。

僕は必要ないと思いますよ。
というか、それは本質的には恩を返すになっていないし本当の意味での「親孝行」を理解していません。

こんな事を言うと「育ててもらった恩を仇で返すのか」「親の面倒をみるのは子供の義務だ」とか言い出す人がいます。

そんな事を言う人は、「親」とか「生まれた環境」で本当の意味で苦しんだことのない人でしょうね。

この「親の面倒をみる」って問題は、けっこう相談が多いんですよ。

少子高齢化が進んで、子供の数が減っていますからね。
どうしても、一人の子供に負担が集中しやすくなってるのもあるんだと思います。

そして、そんな相談の多くは気持ち的には面倒を見たいけど、金銭的にも時間的にも難しいし何より自分は何もできなくなってしまうので決めれないって言うんですね。

気持ちはよくわかりますよ。
よほどの酷い親でなければ、それはやはり親子ですから「見放す」のはできないんですね。

いや、多くの人を見てきたんですが「よほどの酷い親」でも葛藤するんですよ。
それを見ると切ないですね。

そんな酷い親だったのに、今度は年老いてきたら面倒を見ろと言うんですよ。
どれだけ、子供の人生を削れば気が済むんだって思います。

そんな時に僕がするアドバイスはね。

「本当の親孝行」ってお話です。

本当の親孝行ってなんでしょう?

親孝行っていろいろあると思いますが、究極の親孝行は「自分が幸せになること」です。

人には「自我」と「真我」があります。
僕らが「自分」と思っているのは「自我」の方です。

でも、人の本体は「真我」です。
自我は言葉を変えると「エゴ」とも言います。

人は真我に従って生きれれば幸せなんですが、自我が真我の言葉がうまく聞けないので悩むんです。

そして、真我は「幸せになりたい」としか考えていません。

自分が最も幸せな状態を知っているんですね。
そして、そうなるようにしているんです。

その時に親の真我は自分の幸せの中に「子供が幸せなこと」が入っているんですね。

だから、親は必ず真我では子供が幸せであってほしいと思っていますし、そうでなければ自分も幸せではないんです。

でも、人にはエゴである自我があるのでそれを邪魔してしまう時があります。

酷い親とか年老いて子供の人生を削ってまで自分の面倒を見させようとするのは、そのエゴ(自我)がさせているんですよ。

人間ってこのエゴをゼロにはできないんですが、これを減らしていく事が幸せに近づくことでもあるんですよ。

だから、親が幸せに近づいていればいるほどエゴは少ないですから、子供の人生を削ろうとはしないんですね。

でも、それは「親の人生」ですから子供がどうすることもできませんし、それは親が自分の人生と向き合って解決するべきことです。

ただ、悲しいかなそれができていない人は多くいます。

そんな親はどうしても子供の人生を削ってまでも自分のエゴを通そうとしてしまいます。

でも、そんな人でもエゴが消える瞬間があります。

それは死ぬときです。

死に方は人それぞれですが、病院でゆっくりと死を迎える人は生きているうちにだんだんとエゴが消えて、最後は真我だけの存在になります。

突然の死を迎えた人も肉体は死んでも魂はしばらく残っていますから、その時は真我だけの存在になっています。

その時にエゴが消えているので、どんな酷い親でも「子供が幸せであること」が自分の幸せでしかないんです。

でも、その時にその子供に何年も負担をかけて、その子はやりたいことも出来ず結婚もあきらめて、ただ親の面倒を見ているという人生をだったらどう思うでしょう?

ひたすら後悔だけが残るんです。

どんなに好き勝手して自分の事しか考えていなかったとしても、最後の最後に凄まじい後悔で死んでいくのは「不幸」でしかありません。

じゃあ、子供ができる最大の親孝行は?

それは、親の死に際に「今、幸せだよ」と言ってあげれることだと思います。

それが聞けたら親はどんな人生だろうと「幸せ」でしかありませんから。

そうなるために必要なら、エゴの親が何を言ってきても距離を空けるべきなんです。

そこで、「育ててもらった恩」とか言っている人は、「親の面倒を見るいい人」を演じたいだけで自分が幸せになって親孝行するって覚悟もないから逃げている人です。

自分の人生に負担にならない部分で面倒をみればいいのです。

ましてや、ヤングケアラーなんてまだ若い時にそんな負担は必要ありません。

どうしてよいかわからない時は必ず誰かに相談してください。
最後は行政に押し付けて逃げても構いません。

自分が幸せになることが親が「幸せな人生だった」と思える最大の親孝行なんですからね。

それではこれで終わります。

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